夫婦の関係が壊れる原因を作った有責配偶者の方からの離婚請求が認められるのかは、実務上、しばしば争われます。
昭和20年台の判決では、背徳行為を行った者の離婚請求を認めるのは道徳観念が許さないなどとされ、有責配偶者からの離婚請求は否定されていました。
しかし、時代と共に、裁判所の判断も変化していきました。
昭和62年の最高裁判決により、有責配偶者からの離婚請求が認められる3つの基準が示されました(最高裁昭和62年9月2日)。
30年以上前の判例ですが、現在も用いられる判断の基準となっています。
具体的には、
1 長期間の別居
2 未成熟子の不存在
3 特段の事情の不存在(苛酷状況の不存在)
の3つが基準とされています。
この3つの基準は、全てを満たさないとならない要件というより、ケースバイケースで、3つの基準を総合的に判断をするようになっていると考えられます。