有責配偶者からの離婚請求の3つの基準のうち、前回は「長期間の別居」についてご説明しました。
今回は、「未成熟子の不存在」についてお書きしたいと思います。
まず、未成年者ではなく、未成熟子となっている点に注意が必要です。
未成熟子とは、必ずしも自然年齢によって定まるものではありません。
経済的に独立していて生計が立てられる状態にあるかどうか、そのように社会から期待される年齢かという観点から判断されるといえます。
たとえば、大学生の場合、未成年者ではないかもしれませんが、未成熟子であると判断されることもあります。
一方で、潜在的に働くことはできるとして、否定した裁判例もあります。
統一的な基準はありませんが、経済的に自立する力を考えるので、例えば、社会人として働いた後に大学で学び直している子の場合には未成熟子とはいいがたいでしょう。
弁護士笹川麻利恵・愛宕国際法律事務所(東京・新橋)のブログです。このブログでは離婚・国際離婚などの家庭問題について書いています。 ホームページはhttp://www.atago-inter-law.net/です。
2020年7月8日水曜日
2020年6月24日水曜日
有責配偶者の離婚請求について・その2
有責配偶者からの離婚請求には3つの基準があることを前回お伝えしました。昭和62年の最高裁判例によるものですが(最高裁昭和62年9月2日)、今でも用いられている基準です。
今回は、3つの基準のうち、「長期間の別居」について検討します。
上述の最高裁判例は、別居の期間について、
ア 両当事者の年齢
イ 同居期間
を考えて、夫婦の別居期間がこれらとの対比において相当の長期間に及ぶかどうかを検討しました。
例えば、7年という別居期間があるとして、30年連れ添ってきた熟年の夫婦の場合には、7年の別居は長期とは認めづらい方向に傾くでしょう。一方、結婚して2年の若い夫婦の場合には、7年の別居は長期と認めやすい方向に傾くでしょう。
もちろん、長期間の別居以外の二つの基準(未成熟子の不存在、特段の事情の不存在(苛酷状況の不存在))もあわせて判断されますので、別居期間だけですべてが決まるわけではありません。
とはいえ、別居期間の長短が重視されるようになっているケースは多く、特に有責配偶者の離婚請求のケースにおいては別居期間はかなり重視されているように実務上は感じます。
離婚訴訟にまで発展して争われるケースでは別居期間が10年を超えているものが少なくありません。
この点、アメリカやヨーロッパ諸国では婚姻関係が破綻しているのか否かという実態面が重視される傾向にあります。
外国人の依頼者の方からは、日本の法律が、壊れた夫婦であっても長期間夫婦であることを強制しているのは理解できない、という意見を聞くことも多いです。
海外にはアリモニーといって(メンテナンスということも)、離婚後の元配偶者の生活費を一定期間扶養する制度があります。
日本にはない制度です。
離婚は破綻によって認めるけれども、離婚後にも経済的なサポートを一定期間認めるという考え方なのだろうと思います。
今回は、3つの基準のうち、「長期間の別居」について検討します。
上述の最高裁判例は、別居の期間について、
ア 両当事者の年齢
イ 同居期間
を考えて、夫婦の別居期間がこれらとの対比において相当の長期間に及ぶかどうかを検討しました。
例えば、7年という別居期間があるとして、30年連れ添ってきた熟年の夫婦の場合には、7年の別居は長期とは認めづらい方向に傾くでしょう。一方、結婚して2年の若い夫婦の場合には、7年の別居は長期と認めやすい方向に傾くでしょう。
もちろん、長期間の別居以外の二つの基準(未成熟子の不存在、特段の事情の不存在(苛酷状況の不存在))もあわせて判断されますので、別居期間だけですべてが決まるわけではありません。
とはいえ、別居期間の長短が重視されるようになっているケースは多く、特に有責配偶者の離婚請求のケースにおいては別居期間はかなり重視されているように実務上は感じます。
離婚訴訟にまで発展して争われるケースでは別居期間が10年を超えているものが少なくありません。
この点、アメリカやヨーロッパ諸国では婚姻関係が破綻しているのか否かという実態面が重視される傾向にあります。
外国人の依頼者の方からは、日本の法律が、壊れた夫婦であっても長期間夫婦であることを強制しているのは理解できない、という意見を聞くことも多いです。
海外にはアリモニーといって(メンテナンスということも)、離婚後の元配偶者の生活費を一定期間扶養する制度があります。
日本にはない制度です。
離婚は破綻によって認めるけれども、離婚後にも経済的なサポートを一定期間認めるという考え方なのだろうと思います。
2020年6月12日金曜日
有責配偶者の離婚請求について
夫婦の関係が壊れる原因を作った有責配偶者の方からの離婚請求が認められるのかは、実務上、しばしば争われます。
昭和20年台の判決では、背徳行為を行った者の離婚請求を認めるのは道徳観念が許さないなどとされ、有責配偶者からの離婚請求は否定されていました。
しかし、時代と共に、裁判所の判断も変化していきました。
昭和62年の最高裁判決により、有責配偶者からの離婚請求が認められる3つの基準が示されました(最高裁昭和62年9月2日)。
30年以上前の判例ですが、現在も用いられる判断の基準となっています。
具体的には、
1 長期間の別居
2 未成熟子の不存在
3 特段の事情の不存在(苛酷状況の不存在)
の3つが基準とされています。
この3つの基準は、全てを満たさないとならない要件というより、ケースバイケースで、3つの基準を総合的に判断をするようになっていると考えられます。
昭和20年台の判決では、背徳行為を行った者の離婚請求を認めるのは道徳観念が許さないなどとされ、有責配偶者からの離婚請求は否定されていました。
しかし、時代と共に、裁判所の判断も変化していきました。
昭和62年の最高裁判決により、有責配偶者からの離婚請求が認められる3つの基準が示されました(最高裁昭和62年9月2日)。
30年以上前の判例ですが、現在も用いられる判断の基準となっています。
具体的には、
1 長期間の別居
2 未成熟子の不存在
3 特段の事情の不存在(苛酷状況の不存在)
の3つが基準とされています。
この3つの基準は、全てを満たさないとならない要件というより、ケースバイケースで、3つの基準を総合的に判断をするようになっていると考えられます。
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