2020年5月7日木曜日

離婚問題・破綻後に自宅不動産に住み続けられるのか

夫婦の関係が悪くなり、一方が家を出ていき別居となったとします。残された方は、そのまま自宅に住み続けることができるのか不安に思うことでしょう。

例えば、Aさんが、配偶者であるBさんと子供を残して家を出ていったとして、自宅(婚姻期間中に住宅ローンを組んで購入)がAさん名義の場合、Bさんと子供は家を出ていかなければならないのでしょうか。

この点、自宅不動産が婚姻期間中に住宅ローンを組んで購入されたものであれば、それは夫婦共有財産にあたります。
夫婦の双方に不動産を占有する権原があり、一方が他方に対し明渡しを求めることは困難です。

そのため、上述の例では、Aさんからの明け渡しは困難です。
自宅不動産の名義がAさんとされていても、同様です。
Bさんと子供は自宅に住み続けることができます。

裁判例としては、東京地判平成24年12月27日が参考になります。
離婚後の事例ですが、自宅が夫婦共有財産であることを理由として明け渡しを認めませんでした。

(なお、この裁判例は、オーバーローンの不動産の財産分与についても非常に参考となる判断をしています。)