「離婚問題・破綻後に自宅不動産に住み続けられるのか」でご紹介した東京地裁平成24年12月27日判決(判例時報2179号78頁)を参考に、オーバーローンの自宅不動産の財産分与について、何回かに分けて考えたいと思います。
まず、オーバーローンの不動産は財産分与の対象とはならないとされています。
この点、東京地判平成24年12月27日も、
「住宅ローン残高が不動産価値を上回るいわゆるオーバーローンの不動産や、不動産の価値と住宅ローン残高がほぼ同程度であるとして残余価値がないと評価された不動産は、積極財産として金銭評価されることがないため、夫婦間の離婚訴訟の財産分与の手続においては、清算の対象とはならない。」
としています。
オーバーローンの不動産は、積極財産として金銭評価されることがないため、財産分与において、清算の対象とはなりません。
住宅ローンを組んで夫婦で住んできた自宅を、離婚にあたってどうするかは多くのケースで問題となります。
財産分与の対象となるか否かは、その不動産がオーバーローンであるかどうかによることになります。