2019年12月23日に、養育費・婚姻費用の算定表が改訂されました。
およそ16年ぶりの改訂です。
旧算定表に対しては、標準とされる金額が低く、ひとり親世帯が生活していくことが困難であるとの批判がありました。
日弁連(日本弁護士連合会)は2012年に意見書を出して、2016年に提言を発表するなど、算定表を見直すための活動を行っていました。
そうした声を踏まえて、裁判所でも研究がなされ、今回の改訂となっています。
「改訂された算定表で何が変わったか?」
ほとんどのケースで養育費・婚姻費用が増額されることになりました。
ただし、増額の幅は、義務者(多くの場合元夫)の所得によって異なります。
具体的には、
高所得者の場合の増額の幅は比較的大きい
といえるでしょう。
私が担当したケースでも高額所得者の場合にはかなりの増額になったものがいくつかありました。
改訂の際に検討された問題意識を、具体的なケースの主張に盛り込んで議論していくことも有効になるでしょう。
子供の成長発達を保障するという視点が、ある程度は、盛り込まれた改訂だと思いますが、十分な水準かというと疑問です。
国際離婚を担当する際に、諸外国の養育費の水準を調査する機会も多いのですが、ヨーロッパやアメリカなどに比べると、日本の養育費は低いのが実情だと思います。
まだまだ検討されるべき問題が多い分野だと考えています。